採択事業者一覧(アルファベット順)
株式会社 オー・エル・エム・デジタル
実証調査の目的及び背景
日本アニメが世界的に人気を博し市場を拡大する一方、国内の制作現場は様々な課題に直面しています。本プロジェクトでは、AIを「制作現場のサポートツール」として捉え、既存の商業アニメのワークフローにどのように馴染ませ、利活用していくかを検証し、現場の課題解決と新たな発展に繋げることを目的としました。
実証調査の詳細
本事業では、「基礎研究」「プロダクションユース」「アニメ×AI調査」の3つの軸で実証・調査を実施しました。基礎研究では、商業アニメ実作品を許諾のもとデータセット化し、大学とスタートアップを中心に、原画・動画・仕上げへのAI活用やキャラクター描画支援の最新技術を研究開発しました。プロダクションユースでは、ショートアニメ『LINE OUT』の制作を通じ、仕上げ支援や作画支援技術を現場に導入して、ワークフローの検証を行いました。アニメ×AI調査では、スタジオ等へのヒアリングからAI活用事例を分類・整理し、課題と展望を浮き彫りにしました。また、国内外イベントでの発表や個別共有を通じ、ANIMINSへの賛同企業は最終的に24社となりました。
目標及び成果
AI技術を「制作現場のサポートツール」として馴染ませ、活用するための「制作のモデルワークフロー構築」を目標に検証を行いました。仕上げ支援システム「SHIAGEDO」は自社作画ツール「SAKUGADO」と連携し、仕上げ作業時間を3〜5割短縮しました。また「CAS・CATool」による「作監補佐フロー」を商業アニメに導入した結果、総作画監督の作業ペースを平均約1.2倍に向上、リテイク率を従来の約40%から約10%へ劇的に改善しました。類似画像検索システム「Mage Search」はカット検索時間を60%以上、データセット構築時間を99%削減し、2026年3月に商用化されました。生成AI技術は制作に大きく寄与する一方、制作自体のDX推進の必要性も見えてきました。これまで「Creativity」を軸に発展してきた日本のアニメ産業は、今後「Technology」との両輪でさらなる発展を遂げると考えられます。
手作業で彩色された青枠内の着色前後の線画から、このカットの彩色の仕方をその場で学び、それ以外の未彩色(上段)の線画を彩色する(下段)。
公開データセットの概要
本事業は「個別業界全体における生成AIの利活用に係る先進事例の調査」としてアニメ領域におけるデータの利活用についての実証をおこなうものであり、データセットの構築・公開は予定していない
事業者ホームページ
OLM Digital 公式HP : https://www.olm.co.jp/
仕上げ支援システム「SHIAGEDO」・自社作画ツール「SAKUGADO」関連記事
https://cgworld.jp/article/actf2026-in-taaf3-olm.html
IMAGICA GROUP公式note「アニメ作品に寄り添った生成AIを
https://www.note.imagicagroup.co.jp/n/ne6c745066c84
GMO GPUクラウド導入事例インタビュー「アニメ制作会社の研究部門が挑むAI活用プロジェクト」
https://gpucloud.gmo/cases/1083/
セーフィー株式会社
実証調査の目的及び背景
AIの社会実装では、データ提供の手間、個人情報保護への懸念、教師データ収集の難しさ、アプリケーション運用環境の整備負担などが課題となっている。本事業では、映像データを活用したAI開発・運用基盤を整備し、データホルダーとAI開発者の連携を促進し、AIの現場実装を加速することを目指した。
実証調査の詳細
本事業では、セーフィーが保有する映像プラットフォームを基盤に、データホルダーとAI開発者を多対多でつなぐMLOpsシステム「Safie AI Studio(セーフィー エーアイスタジオ)」を開発した。本システムは、映像データの収集・整理、アノテーション、AIモデルの学習・評価、デプロイ、運用管理までを一貫して支援するプラットフォームである。
実証では以下の3テーマを対象に、Safie AI Studio利用前後のプロセスを比較し、作業時間・費用の定量測定と関係者ヒアリングによる定性評価を実施した。不安全状況検知(建設)では、建築現場において危険エリアへの立入や不安全行動をAIが自動検知し管理者にリアルタイム通知する仕組みを構築した。車両検知(建設)では、土木現場における工事車両の入退場をAIが自動検知する仕組みを構築した。転倒検知(介護)では、介護施設において転倒した利用者をAIがリアルタイム検知しスタッフに通知する仕組みを構築するとともに、顔へのマスキング処理によるプライバシーに配慮した運用の実現も検証した。
目標及び成果
本事業の目標は、データ活用・開発・運用プロセスを共通基盤上で効率化し、データホルダーとAI開発者が連携してAIソリューションを開発・展開できる仕組みの有効性を検証することである。
実証の結果、クラウド上の映像から直接データセットを作成できることで従来のデータダウンロードや受け渡し作業の工数が各テーマで削減され、AI開発開始までのリードタイム短縮が確認された。映像インフラとのAPI連携やサーバ構築もプラットフォームが担うことで開発工数・コストの削減が確認され、AI開発者がコアロジックに集中できる環境が整備された。実証参画企業からは「使い慣れているカメラをそのままAI開発に使えるのであれば楽」「開発プロセス全体の見通しが立てやすくなった」といった声が寄せられた。
複数企業間でのデータ相互利用についても実証参画企業との議論を通じて検討・整理を行い、精度向上への貢献可能性が示された一方、契約・ガバナンス整備が実現の前提となることが確認された。対価還元のあり方や個人情報・プライバシーへの対応は今後の課題として整理された。
公開データセットの概要
本事業は「生成AI開発者とデータホルダーの連携に係る先進事例の調査」としてAI開発者とデータホルダーを繋ぐことを目的としたMLOpsシステムの有効性を実証するものであり、データセットの構築・公開は予定していない
事業者ホームページ
ソフトバンク株式会社
実証調査の目的及び背景
日本語LLMは英語圏に比べ学習データの量・質で制約が大きい。国内生成AIの競争力強化には、モデル開発を見据え、権利処理・同意取得済みの高品質な日本語音声対話データを、企業が安心して使える形で整備・提供する必要があった。本調査は、そのデータ基盤と提供モデルを実証し、社会実装につなげることを目的とした。
実証調査の詳細
本調査では、全国の20代から70代までの男女3万人超のモニターを対象に、1対1のオンライン対話ロールプレイを実施した。シナリオはコールセンター10業種(アパレル、自治体、生命保険、証券、テレビショッピング、化粧品、健康食品、旅行代理店、家電、携帯)と約800種類の雑談テーマを用意し、複数ターンの自然な対話を実現。
取得データは「動画」「話者分離済み音声」「テキスト」のマルチモーダル形式で記録され、相槌や割込み、言い淀み(フィラー)をタグ形式で明確化するとともに、対話ターンごとの話者双方による5段階の感情度数等のメタ情報を付与するなど、AIモデルの開発に活用しやすいようアノテーション処理を実施し、会話文脈を扱いやすい形式に整備した。
さらに、同意取得、利用申請、セキュアな提供環境、オプトアウト対応、利用企業からのフィードバック反映まで含め、持続的なデータ提供スキームを検証し、実証後の商用提供に向けた運用条件を整理した。
目標及び成果
約1万時間におよぶ有効データ7万件超(発話数700万件超)を収集し、かつ有効データ全件についてAI学習への利用を前提とした権利処理(第三者提供・商用利用に関する同意取得)を実施。企業や研究機関が安心して活用できる法的要件を満たした。
本データでの利活用実証では、既存モデルで課題だった音声会話時の不自然に長い発話が解消され、短い発話と相槌を交えた人間らしい対話テンポの獲得に成功。また複数ターンにまたがる対話の継続性向上や、音声からの年代・性別推定精度の向上など、定量・定性面でモデルの改善が確認された。
GENIACコミュニティのアンケートでは半数以上の企業が高い関心を示し、fine-tuning、方言対応、コールセンター業務改善等の需要を確認。2026年度以降のライセンス提供・データセット提供につながる社会実装の見通しを得た。
公開データセットの概要
今後更新予定
事業者ホームページ
公開準備中
お問い合わせ先:grp-post5g-dataset[at]softbank.co.jp
※[at]については@に置換してご利用ください