GENIAC

​採択事業者一覧(アルファベット順)

一般社団法人AIロボット協会

実証調査の目的及び背景

2024年にPhysical Intelligence社がVLAモデル「Pi0」を発表し、AI駆動型ロボットの実用化が現実となった。以降、世界では中国・米国勢によるデータ・モデル競争が急速に激化している。本事業は、日本の強みであるロボティクス技術を活かし、世界最大規模の実世界ロボット動作データセットを構築するとともに、データが継続的に還流する「データエコシステム」の構築手法を確立することを目的とした。

実証調査の詳細

【実施項目1】標準機による大規模オープンデータセットの構築

モバイルマニピュレータHSR(Human Support Robot)39台を東京大学・九州工業大学・産業技術総合研究所・トヨタ自動車株式会社・Telexistence株式会社・FastLabel株式会社の6拠点に展開。家庭(リビング・キッチン・玄関等9シーン)と小売(レジ・陳列業務)にわたる163種類のタスクデータを収集した。シフト管理の高度化やロボットトラブル対応体制の整備により、当初は週間1,000時間未満だった収集量を最終的に週間2,500〜3,000時間の水準まで引き上げ、累計で約8万時間のデータセットを構築した。

【実施項目2】VLAロボット基盤モデルの構築手法の確立

「Data-Centric AI」の方針のもと、収集した生データから物理的矛盾や言語指示の不一致(ITM)を機械学習で排除するクレンジング手法を確立し、約1.8万時間の高純度データセットを精製した。このデータを用いてOSS VLAモデル「π0.5」に対する継続事前学習(Continual Pre-training)を実施した。

【実施項目3】MLOpsソフトウェアパイプラインの設計

ロボット制御ミドルウェア(ROS)からAI学習フレームワークまでをシームレスに繋ぐMLOpsパイプラインを構築した。RW-PoE等の機械学習ベースの自動クレンジングを導入し、大規模データの品質保証と処理効率化を両立した。

目標及び成果

▶ データ収集成果

  • 総収集量:約8万時間のロボット動作データ(既存最大データセットOpen X-Embodimentを桁違いに上回る規模)(26年3月31日時点)
  • タスク種類:163タスク(家庭環境9シーン・小売環境2業務)(26年3月31日時点)
  • 参考)タスク時間数:家庭タスク31,819時間・小売タスク35,877時間(26年3月6日時点)
データ収集量におけるタスクの分布(26年3月6日時点)

▶ モデル開発成果

  • クレンジング後データ:約1.8万時間の高純度データセットを精製
  • VLAモデル(π0.5ベース)の継続事前学習により、モバイルベース+アームの全身協調制御をクローズドループで実現
  • 既存オープンウェイトモデルへのファインチューニングモデルを3ポイント上回るタスク成功率を確認
動画:データ収集と開発したモデルを用いたデモの様子

▶ パイプライン成果

  • 数万時間規模のデータ監査工数を約100時間に短縮(機械学習ベースの自動クレンジング導入)
  • ROS〜学習フレームワーク間のシームレスなMLOpsパイプライン構築・モデル再現性の大幅向上を実現

▶ 今後の展開:データエコシステムの構築

2026年7月31日、クレンジング済みのロボット動作データ約5,000時間、継続事前学習済みVLAモデルの重み、および学習用ソースコードを一般公開した。これを起爆剤として、データ還流プログラム・共同研究プログラム・AIRoA会員企業向けプログラムを組み合わせ、アカデミアから産業界まで段階的に巻き込む「データエコシステム」を構築し、ロボットAIプラットフォームとしての社会実装を推進する。また、合わせて汎用基盤モデル開発について、2026年秋を目処に初期版を公開し、そこから継続してアップデートを行っていく予定である。。

公開データセットの概要

モバイルマニピュレータHSR(Human Support Robot)を用いて遠隔操作により収集した、Phase 1のロボット動作データセットを公開します。

■ データ概要

総計1,184,259件(約5,025時間分)の成功エピソードを収録。2台のカメラ映像(10 fps)に加え、手首レンチ履歴や全サーボテレメトリを含む同期済み自己受容感覚データを、LeRobot v2.1形式で網羅しています。

■ 提供条件・申請方法

本データセットはHugging Faceにて提供いたします。所定の利用規約への同意、およびアンケートへのご回答をいただくことで、ダウンロードしてご利用いただけます。

データセット公開ページ:
https://huggingface.co/datasets/airoa-org/airoa-moma-5k
※本事業の成果として、ロボット動作データセット「AIRoA MoMa 5k」に加え、継続事前学習済みVLAモデルの重み、および学習用ソースコードを一般公開しています。各成果物の入手先、利用方法・利用条件等の詳細は、AIRoAの成果公開ページをご覧ください。

AIRoA成果公開ページ:
https://www.airoa.org/ja/updates/20260803/484/
※本事業の成果として、ロボット動作データセット「AIRoA MoMa 5k」に加え、継続事前学習済みVLAモデルの重み、および学習用ソースコードを一般公開しています。各成果物の入手先、利用方法・利用条件等の詳細は、AIRoAの成果公開ページをご覧ください。

事業者ホームページ

https://www.airoa.org/

株式会社HEMILLIONS

実証調査の目的及び背景

生成AIの医療応用には大規模かつ高品質な学習用データが必要である一方、電子カルテや医用画像等の医療データは保有形態や構造が統一されておらず、要配慮個人情報として厳格な管理が求められるため、利活用が限定されている。
本調査では、マルチモーダル医療データの①収集から、②連携、③匿名化、④標準化、⑤加工、⑥提供、⑦フィードバック、および⑧ELSI対応までを一気通貫で循環・管理する「医療データエコシステム」を構築し、その有用性と課題を調査した。

図:医療データエコシステムの全体像と実施項目サイクル

実証調査の詳細

医療データ流通市場の構造、法規制・ガバナンス、技術的課題、社会的影響、経済的影響について、文献調査および国内外事例調査を実施した。病院から200名分の「診断名・診察初見・病理診断・バイオマーカー・医用画像・読影レポートなど」を収集するとともに、多種多様な医療データを安全に処理するため、「運用管理システム」および「患者用アプリ」を構築した。試験運用では、患者同意管理、自動匿名化、標準化・正規化・クレンジング、教師データ作成などの各機能を検証し、複数の医療機関から収集したデータを用いて実証を行った。さらに、大学研究機関、医療ベンチャー企業などの「データ活用先」へのデータ提供とフィードバック取得を通じて、システムおよび提供データの有用性を評価した。

目標及び成果

本調査実証事業では、生成AI開発に必要なマルチモーダル医療データを安全かつ継続的に提供可能な医療データエコシステムを構築し、その有用性を実証した。複数医療機関から収集した各種医療データを対象に、匿名化、標準化、加工を実施し、AI開発に利用可能な高品質データセットおよび教師データを整備した。医用画像ではDICOMタグ情報の99.5%を自動匿名化し、顔情報匿名化処理時間を従来比45%低減したほか、座標系正規化や画像分類自動化を実現した。さらに、脳神経教師データおよび前立腺がんを対象としたマルチモーダル教師データを作成しデータ活用先へ提供した結果、脳神経自動抽出AIおよび前立腺がん診断AIの構築につながり、前立腺同定精度98.4%、前立腺がん推定精度80.1%を達成した。また、提供データの90%以上が受領機関で実際に活用された実績を含め、データ収集から匿名化・加工、AI開発、フィードバックまでを循環させる「医療データエコシステム」の実現可能性を示した。

公開データセットの概要

今後更新予定

事業者ホームページ

HEMILLIONS: https://www.hemillions.co.jp/

イヨウガゾウラボ: https://www.iyogazolab.com/

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